併用療法によるC型肝炎の治療に新たな兆し

併用療法によるC型肝炎の治療に新たな兆し

英国国立リーズ大学研究者によって、C型肝炎の新たな治療法につながる発見がこの度発表されました。

「Hepatology」ジャーナルに発表されたリーズ大学のステファン・グリフィン教授らの研究は、p7阻害剤といわれる2種類の低分子薬剤が、C型肝炎ウィルスの異なる部位を攻撃し、ウィルスの増殖を抑えることを明らかにしました。今回の発見によると、最新の直接作用型抗ウイルス薬と併用することによって、p7阻害薬はC型肝炎ウィルスの増殖を抑える効果的な治療となることが期待されます。

C型肝炎

世界人口の3% – 約1億7,000万人以上がC型肝炎ウィルスに感染しています。ウィルスは重度の肝疾患を引き起こし、臓器移植、肝臓がん、肝疾患による死の主な原因となっています。

今までの治療法

今までのC型肝炎の治療の多くは、ペグインターフェロンアルファとリバビリンの併用療法で、患者の免疫を活性化させる方法をとっています。しかし、これらの薬剤の効果は患者個人の遺伝子型によって異なります。さらに困ったことに、C型肝炎ウィルスは薬剤に対し耐性変異し、十分な期間C型肝炎ウィルスを抑えることが難しいのです。また、この治療法は高額で副作用も多く、治療を途中であきらめる患者も多くいました。

この問題に取り組むため、リーズ大学の研究者達はペグインターフェロンアルファやリバビリンとは違った働きをし、ウィルスを個々に直接攻撃する新たな種類の薬を探しています。個々にウィルスを直接攻撃する薬を併用した場合、ウィルスは反撃することが困難だからです。

p7阻害薬

リーズ大学の研究者チームは、C型肝炎ウィルスを増やし続けるp7イオンチャンネルというタンパク質をターゲットとする薬にフォーカスをあてて研究しています。グリフィン博士らの以前の研究では、数種類の分子がp7イオンチャンネルをブロックし、C型肝炎ウィルスの増殖を抑えることを発見しました。グリフィス博士らの最近の研究では、アダマンタンとアルキル化イミノ糖 という2種のp7阻害剤が、お互い別々のメカニズムによりターゲットのタンパク質の活性を阻害することを証明しました。

リーズ大学の研究者らは、今回の研究に分子モデリングと実験を駆使しました。特に、この2種の薬にC型肝炎ウィルスがどのように反応するかを観察し、2種の薬に対する反応は大いに異なることを発見しました。このことから、この2つの薬は併用することで、多方面から効果的にウィルスを攻撃することがわかります。

今後の治療法

「C型肝炎ウィルスはとても早く進化し、投与した薬剤に耐性を示すため、効果的に治療するのが非常に困難でした。この新たなp7阻害剤はウィルスを直接攻撃します。今回の研究でわかったように、これらの薬は違った方法でウィルスを攻撃するため、併用することで効果を高めることができます」と、リーズ大学医学部のグリフィン博士は言います。

「C型肝炎がこれらの薬にどのように反応するかを観察することで、長期にわたり効果を期待できる薬を開発することができます。これらの薬を単独で投与したり、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法と併用するよりも、これらの薬が反応の異なる他の直接作用型抗ウイルス薬とどのように併用できるかを観察することができます。つまりこれは、HIVウィルスの治療方法に似た使い方ができるということです」

この研究はリーズ大学生命科学科部のマーク・ハリス教授、リーズ大学化学部のコリン・フィッシュウィック教授、リチャード・フォスター博士、米カンザス大学のスティーブン・ウェインマン教授の共同研究によるものです。

この研究は、UK Medical Research Council、Yorkshire Cancer Research、University of Leeds Biomedical and Health Research Centreから資金供給されました。

本件詳細は、下記リンクをご参照ください。(英文のみ)

http://www.leeds.ac.uk/news/article/2191/will_new_drugs_block_hepatitis_c_virus_in_its_tracks

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